「常時雇用」をまとめました。
各法律によって、「常時」の意味(定義)が違います。ご参考に!

障害者雇用促進法では

障害者雇用促進法において、「常時雇用労働者」とは、1週間の労働時間が30時間以上であって、次のように引き続き1年以上雇用しているか、あるいは1年以上の雇用が見込まれる労働者をいいます。但し、雇用保険上の短時間被保険者であるものは含まれません。

  1. 雇用期間の定めのない労働者
  2. 一定期間(1ヶ月、6ヶ月等)を定めて雇用されるものであっても、その雇用期間が反復更新されて、事実上1.と同様の状態にあると認められるもの。
  3. 日々雇用されるものであっても、雇用契約が日々更新されて事実上アと童謡の状態にあると認められるもの。
  • 「出向中」の労働者を出向元、出向先のいずれの事業主の労働者として取り扱うかについては、雇用保険の取扱いを行っている事業主の労働者として取り扱って差し支えありません。
  • パートタイム労働者等については、雇用保険の被保険者として取り扱われているかどうかによって判断してください。

障害者雇用促進企業の登録申請に係わる手引き 別紙1 障害者雇用率の計算方法について)

労働基準法では

労働基準法においては、事業場で働く労働者の数が、時として10人未満になることがあっても常態として10人以上であれば、事業主は必ず就業規則を作成しなければなりません。

この場合の「労働者」には、いわゆる正規社員のほか、パートタイム労働者や臨時のアルバイト等すべての者を含みます。
なお、事業場の労働者数が常態として10人未満である場合には、労働基準法上は就業規則を作成しなくても差し支えないこととされていますが、労働条件や職場で守るべき規律などをめぐる事業主と労働者との間の無用の争いごとを未然に防ぎ、明るい職場づくりに寄与するという就業規則の役割から考えて、就業規則は是非とも作成しておきたいものです。

(東京労働局HP 就業規則の手引)

労働安全衛生法では

第二条関係
(1)本条で「常時当該各号に掲げる数以上の労働者を使用する」とは、日雇労働者、パートタイマー等の臨時的労働者の数を含めて、常態として使用する労働者の数が本条各号に掲げる数以上であることをいうものであること。

(労働安全衛生法および同法施行令の施行について 昭和47年9月18日 基発第602号)

労働者災害補償保険法では

「常時使用する労働者数」という用語については明確な定義や通達等はありません。通例はその事業の経営上の必要性から常態として使用する員数を計上するのが妥当といえます。

(産業保健研修会におけるQ&A)

雇用保険法では

「常時5人以上の意義」
イ)「常時5人以上」とは、一の事業において雇用する労働者の数が年間を通じて5人以上であることをいう。

したがって、ごく短期間のみ行われる事業、あるいは一定の季節にのみ行われる事業(いわゆる季節的事業)は、通常「常時5人以上」には該当しない。また、労働者の退職等により労働者の数が5人未満となった場合であっても、事業の性質上速やかに補充を要し、事業の規模等から見て5人未満の状態が一時的であると認められるときは、5人以上として取り扱う。また、事業主が数事業行っている場合においては、その個々の事業について5人以上であるか否かを判断する。

ロ)イの5人の計算に当たっては、法第6条第1号から第3号までに該当し法の適用を受けない労働者も含まれる。したがって、法第42条に規定する日雇労働者も含めて計算する。
ただし、法の適用を受けない労働者のみを雇用する事業主の事業については、その扱いのいかんにかかわらず、適用事業として取り扱う必要はない。

(行政手引 20105)

厚生年金保険法・健康保険法では

「常時使用される」とは、雇用契約書の有無などとは関係なく、適用事業所で働き、労務の対価として給料や賃金を受けるという使用関係が常用的であること。

(社会保険庁HP 被保険者と適用事業所)

次世代育成支援対策推進法では

「常時雇用する」とは、雇用契約の形態を問わず、事実上期間の定めなく雇用されている場合をいい、実体的に判断される。具体的には、次のような場合が、「常時雇用される」に当たるものである。

  1. 期間の定めなく雇用されている場合
  2. 一定の期間(例えば、1ヶ月、6ヶ月等)を定めて雇用されている者であって、その雇用期間が反復更新されて事実上(1)と同等と認められている場合(具体的には過去1年を超える期間について引き続き雇用されている場合または採用のときから1年を超えて引き続き雇用されている場合をこれに当たるものとして取り扱っている。)
  3. 日々雇用される場合であって、雇用契約が日々更新されて事実上1.と同等と認められる場合(具体的には2.の場合と同じく、過去1年を超える期間について引き続き雇用されている場合または採用のときから1年を超える期間について引き続き雇用されると見込まれる場合をこれに当たるものとして取り扱っている。)

(次世代育成支援対策推進法案 2企業行動計画の策定例)

高年齢者雇用安定法では

「常時雇用する」とは、雇用契約の形式の如何を問わず、事実上期間の定めなく雇用されている場合をいい、具体的には、

  1. 期間の定めなく雇用されている場合
  2. 一定の期間を定めて雇用されている場合であって、その雇用期間が反復継続されて事実上1.と同等と認められる場合
  3. 日々雇用される場合であって、雇用契約が日々更新されて1.と同等と認められる場合
    が挙げられます。
    よってパートタイム労働者であっても、「常時雇用される」と判断されれば、労働者に含まれます。

(改正高年齢者雇用安定法Q&A)

労働者派遣法では

常用雇用労働者

  1. 期間の定めなく雇用されている者
  2. 期間を定めて雇用されている者であって、その雇用期間が反復継続されて事実上期間の定めなく雇用されている者と同等の者
  3. 日々雇用される場合であって、雇用契約が日々更新されて①と同等と認められる

(「労働者派遣の雇用の安定」に関する資料)

「常時雇用される」とは、雇用契約の形式の如何を問わず、事実上期間の定めなく雇用されている労働者のことをいう(厚生労働省職業安定局業務取扱要領)。具体的には、次のいずれかに該当する場合に限り「常時雇用される」に該当する。

  1. 期間の定めなく雇用されている者
  2. 一定の期間を定めて雇用されている者であって、その雇用期間が反復継続されて事実上1.と同等と認められる者。すなわち、過去1年を超える期間について引き続き雇用されている者又は採用の時から1年を超えて引き続き雇用されると見込まれる者
  3. 日日雇用される者であって、雇用契約が日日更新されて事実上1.と同等と認められる者。すなわち、2.の場合と同じく、過去1年を超える期間について引き続き雇用されている者又は採用の時から1年を超えて引き続き雇用されると見込まれる者

(労働者派遣法改正案について P137)

【参考】各種資料では

  • 労働市場年報
    常用労働とは、雇用契約において期間の定めのないか又は4か月以上の雇用期間が定められているもの
  • 毎月勤労統計調査
    常用労働者とは、次のうちいずれかに該当する労働者のことである。1日の労働時間の長短は問わず、いわゆるパートタイマー等も含む。
  1. 期間を決めず、又は1か月を超える期間を決めて雇われている者。
  2. 日々又は1か月以内の期間を決めて雇われている者のうち、前2か月にそれぞれ18日以上雇われた者。

なお、次に該当する者は、常用労働者に含める。

  1. 重役、理事などの役員でも、部長、工場長などのように、常時勤務して、一般の労働者と同じ給与規則で毎月給与が支払われている者。
  2. 事業主の家族でも、常時その事業所に勤務し、他の労働者と同じ給与規則で毎月支払われている者。
  • 労働経済動向調査
    常用労働者とは、雇用期間を定めないで雇用される者をいい、パートタイムを除く。ただし、派遣労働者は含まれない。
    パートタイムとは、1日の所定労働時間数又は1週間の所定労働日数が当該事業所の一般労働者のそれより短い者をいう。
  • 賃金構造基本統計調査
    常用労働者とは、
  1. 期間を定めずに雇われている労働者
  2. 1か月を超える期間を定めて雇われている労働者
  3. 日々又は1か月以内の期間を定めて雇われている労働者のうち、4月及び5月にそれぞれ18日以上雇用されている労働者
    をいう。



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